COLUMN

陶芸家 岡崎裕子氏インタビュー 土と対話する。

img_32211「二十四節季 朔」のオープン時に、器をご提供するお話をいただいた際、新旧文化が混在する丸の内において「温故知新」を大事にするというご説明を伺い、私のような若手作家にお声をかけて下さったご真意を知り、大変有り難く頑張らせて頂こうと思いました。陶芸も、歴史を受け継ぎながら、作家はそれぞれ独自性を追求しておりますので、伝統を大事にしながら新しいものを創る、という林料理長の姿勢に共感いたしました。

「ものづくり」を志す
陶芸の道に進む前は、アパレルの会社で広報の仕事をしていました。ショーのコーディネートやカタログ制作を担当する中で、美しくデザインされた服が世の中に出ていく過程に立ち会い「ものづくり」の魅力を知りました。次第に「自らの手によるものづくりがしたい」と思うようになり、その想いが行き着いた先が陶芸だったのです。服と同じく、日常生活に入り込むことができる物として「器」を作ることを選択しました。

陶芸の魅力
土と火、釉薬から成る陶芸ですが、土の種類や練り方、釉薬の調合、窯の温度など、その組み合わせは無限ですし、厳密に言えば、二つと同じものを作ることはできません。また、粘土は呼吸していますから、乾燥させて焼き上がるまで、きめ細かく世話をしてあげる必要があります。最も重要なのは、粘土から陶器へと姿を変える工程、「本焼き」です。イメージ通りに釉薬が溶け、色や風合いが出れば成功ですが、イメージとは違っても、かえって面白い仕上がりになることもあるのです。そんな思わぬ発見を狙って、何度も試行錯誤を繰り返すこともあります。

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器にできること。
飾ることもありますが、料理を載せ、手に取っていただいて、初めてその役割を果たすと私は思います。器の魅力は、使い勝手の良さはもちろん、使う時の楽しさにあります。用途を超えて、暮らしを豊かに彩る不思議な力を持っていると思うのです。林料理長が丹精込めてお料理を作られる様に、私も一つずつ心を込めて作っています。私の手から作られた「器」が、林料理長やスタッフの皆さんと一緒に、お客様をおもてなしさせて頂き、お料理と共に喜んで頂けることほど、作家冥利に尽きる事はありません。

最後に
陶芸を志して茨城の師匠の下に弟子入りしたのが2000年。9年の月日を経て今年の2月、初個展を開催いたしました。個展を終えて、新たに次回に向けての、スタート地点に立ったと感じています。
「二十四節季 朔」にて、お使い頂いています事、大変幸せに思っております。どうぞお料理と共に、器も楽しんでいただき、皆様に素敵なひとときをお過ごしいただければと存じます。今後も精進して参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

岡崎裕子
1997年よりイッセイミヤケ広報部勤務。三宅一生氏との仕事を通して刺激を受け、自らの手によるモノづくりの機会を求め、陶芸家を志す。2000年に陶器市で出会った茨城県の陶芸家・森田榮一氏を訪ね、弟子入りを果たす。4年半の修行を終えた後、笠間市窯業指導所釉薬科修了。2005年帰京。2007年横須賀市に自宅兼陶房を構え独立。2009年2月広尾ギャラリー旬にて初個展。


http://yukookazaki.com/

<今後の予定>
■9月新宿高島屋 暮らしの工芸ギャラリーにて二人展


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